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【SDGs】学校給食の葉隠勇進が、魚料理の調理を工夫し残食率1%にまで改善

学校給食における、食育の生きた教材としての「魚料理」

学校給食の魚料理は、生徒に良質なたんばく質やEPA、DHA、ミネラルなど豊富な栄養素を効果的に摂取してもらうために、皮も含めて完食できるような調理が考えられています。

また、お箸の使い方や盛付け方などの食文化を伝える点でも「食育の生きた教材」として欠かせない食材で、成長期の子どもたちに慣れ親しんでほしい献立です。しかし、葉隠勇進が給食提供を受託する目黒区の中学校では平均3%の魚の残食がありました。

 

日本では現在、魚介類の1人当たりの消費量が2019年度に23.8kgとなり、2001年度の40.2kgをピークとして減少傾向にあります。※1

食に対する簡便化・外部化志向の影響に伴い、家庭においても魚食の体験などの機会を十分に確保することが難しくなってきているという報告もあり、学校給食を通じ、子どもの頃から水産物に親しむ機会をつくることの重要性が高まっています。※2

 

※1※2 出典:水産庁「令和2年度水産白書」

https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/r02_h/trend/1/t1_1_2.html

魚料理の残食率を改善するために葉隠勇進が提案

魚の食べ残しの中には、皮に身がついた状態のものも目立ちました。「身は残さず食べてほしい」という想いから、葉隠勇進の調理員はこの課題を改善する取り組みを行いました。取り組んだ献立は「さわらの香味焼き」です。

 

・改善ポイント1「皮を下にして焼く」

通常の調理は、さわらに下味をつけて皮を上にして焼き、最後にタレをかけます。身を残さずおいしく味わってほしいと考えたところ、皮を下にして焼いたうえで身にふんだんにタレをかけると味が浸透して食べやすくなると考えました。

 

・改善ポイント2「皮を下にしたまま盛り付ける」

日本料理の場合、魚の切り身は皮を上にして盛り付けます。しかし、はがされた皮に身がついていたことを考えると、生徒にとっては食べにくいのではないかと思案しました。実際に、さわらの皮は薄く、はがすと多くの身がついてきてしまいます。そこで、皮を下にしたまま盛り付けることにしました。

これらの改善に取り組んだところ、残食率を3%から1%にまで減らすことができました。皮を下にして調理・提供したことで、身の部分が食べやすくなったことが大きな効果に繋がりました。

生徒からは、「魚の味が濃く感じられてご飯が進んだ」「魚が食べやすくなった」「皮が下だと身をほぐしやすい」という感想がありました。

目黒区の中学校給食現場 責任者 森田さんのコメント

「限られた食材量の中で最大限に栄養を摂取してほしいと常に考えています。魚ひとつの話ですが、ひと手間加えることで生徒からも教職員からも感動していただくことができました。なにより残食が減ったことが嬉しいです。今後も現場一丸となって意見を出し合ってまいりたいです」

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