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【SDGs×学校給食】葉隠勇進が、ブロッコリーの茎を活用して食品廃棄率を42%改善

葉隠勇進株式会社が学校給食を提供する古河市立古河第五小学校では、サラダの食材としてブロッコリーの茎も活用することで、ブロッコリーの廃棄率を42%改善しました。「児童の皆さんが喜ぶ形で食べてもらいたい」という調理員の新井宏行さんの想いから、茎はハートやクローバーなどの形に飾り切りにして提供。児童らが飾り切りを探しながら楽しんで食べることで、食品廃棄率を抑えられただけでなく、茎に含まれる栄養まで無駄なく摂取することにもつながりました。

食品ロスの大きな課題は「食べられるのに棄てられてしまう」こと

国内では「食べられるのに棄てられてしまう」ゴミが年間約522万トンにのぼるといいます。これは日本人1人当たりが、毎日お茶碗1杯分のごはんを廃棄している計算になります。(※1)国内の食品ロスの大きな原因には、家庭で料理を作り過ぎたことによる食べ残しや、料理を作る時に発生する可食部の廃棄などが挙げられます。

私たち一人一人が身近なところから食品ロス削減を意識することが必要不可欠です。

 

※1. 農林水産省 報道発表資料より(令和4年6月9日)

https://www.maff.go.jp/j/press/shokuhin/recycle/220609.html

ブロッコリーの茎を調理に活用し、食品廃棄率を42%改善

 

▲ブロッコリーの茎をクローバーやハートなどに飾り切り

 

野菜には、一般的に棄てられてしまうことが多い部分でも、実は栄養豊富な「可食部」ということがあります。例えばブロッコリーは、つぼみが集まった房の部分がよく食べられます。しかし、茎の部分にもビタミンCや食物繊維が豊富に含まれており、調理方法を工夫すればおいしく食べることができます。

 

古河第五小学校で学校給食を調理する、葉隠勇進の新井さんは、ブロッコリーの茎の部分を「可食部として扱わずに棄ててしまうのはもったいない」と思い、献立のサラダの食材として、つぼみと一緒に活用しました。茎の皮の厚い部分はピーラーで剥き、根本は5ミリ程度切り落とし、残った部分を給食に加えることで、廃棄率を70%から28%まで抑え、食品廃棄率を全体で42%改善することができました。

「児童が喜んでくれる形に」食品ロス削減のためのひと手間

茎を給食に加えてブロッコリーの廃棄率を抑えても、児童が食べてくれずに残食になってしまうと、食品ロス削減にはつながりません。新井さんは、「児童の皆さんが喜ぶ形で食べてもらいたい」と考え、茎の部分を「クローバー・ハート・ダイヤ・スペード」のトランプに出てくる4つの形の飾り切りにするひと手間を加えました。また、つぼみの部分と茎の部分ではそれぞれ火の通りやすさが違うため、分けて茹でました。「茎もほっくりと茹でれば、つぼみと同じような甘みが感じられます。どちらも適度な歯ごたえが残るように、茹で時間を調整しました」と新井さんは言います。

 

児童たちはサラダの中にある4種類のマークの形をした茎を探しながら楽しんで食べることができ、返却された食缶の中には、ブロッコリーの茎はほとんど残っていませんでした。廃棄されることが多い部分を可食部として扱ったことで、食品廃棄率を抑えられただけでなく、茎に含まれる栄養まで無駄なく提供することができました。

古河市立古河第五小学校給食現場 責任者 新井宏行さんのコメント

「普段から自宅では、しいたけの軸をバターソテーにするなど、食材を大切に使うことを心がけています。学校給食を提供する立場として、調理の工夫で思い出に残る形にし、食材を無駄にしてしまう“食品ロス”のもったいなさを児童たちや社会全体にも伝えていけると考えています。また、食材を生産されている方々の気持ちにも、調理で食材を大切に扱うことで応えたいです。

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